2014 年における自然災害の概況:異常気象や地震による損害が減少

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2015.01.07 | プレスリリース

2014年における自然災害の概況:異常気象や地震による損害が減少

巨大災害の発生がなかったことと、北大西洋におけるハリケーンの発生が穏やかだったことで、2014 年における自然災害による損害は大きく減少することになった。損害額が最も大きかった事象はインド で発生したサイクロン Hudhud で、総損害額は 70 億ドルに上った。保険業界にとって最も大きな損害 は、日本で発生した。首都圏を中心とした地域で 2 月に降った例年にない大雪により、31 億ドルの保険 損害が発生、総損害額は 59 億ドルに上った。

「一見したところでは、日本で厳しい冬によって大きな損害が出るのは驚きだ。なぜなら、同国では自然 災害の発生後の安全を確保するため、世界有数の厳しい建築基準を設けているからである。しかし建築 物の多くは、他の国ほど降雪に対する耐久性を有するようには設計されていない。もっとも、リスクを比 較評価した場合、日本では地震や暴風雨の被害からの保護が確実に優先される。そこで、予期せぬ暴 風雪などの事象による経済損失に備える上で、保険が有益な役割を果たすことができる」と、ミュンヘン 再保険のアジア太平洋担当役員であるルドガー・アーノルドゥッセンは話す。

2 週連続の暴風雪で降った大雪により、被害を受けた地域の屋根のいくつかでは、設計上耐えうる重さ の 2~3 倍の雪が積もった。駐車施設や住宅、ホールのかなりの数の屋根が、雪の重みで倒壊した。全 体としては、昨年の自然災害の半数以上が、アジアで発生した。

2014 年の自然災害に関する全世界の分析では、死者数の少なさが目立っている。自然災害による死 者はおよそ 7,700 人で、これは 1984 年の数字にほぼ匹敵する。

「個々のケースでは悲劇的であるものの、昨年の自然災害による死者数の減少はよいことだ。そしてこ のことは、単なる偶然ではない。多くの場所で、早期警戒体制がよりよく機能し、たとえばサイクロン Hudhud がインドの東海岸に上陸する前や、台風 22 号(Hagupit)がフィリピンの沿岸部を襲う前など、 近づいてくる気象災害を前に当局が一貫して避難を呼びかけた」と、ミュンヘン再保険の役員であるトル ステン・イェヴォレックは話す。「しかし、2014 年に損害が減少したからと言って、安全に対する誤った意 識を持ってはならない。なぜならリスク状況は全体として変わりがないからだ。2015 年も同じように穏や かな 1 年になると予想する理由はないし、個別の年に何が起こるかを予測するのは不可能だ」



2014 年の概要



  • 自然災害による全体的な総損害額は1,100億ドル(前年は1,400億ドル)で、その内保険損害は およそ 310 億ドル(前年は 390 億ドル)。
  • この損害額は、物価上昇を加味した過去10年間の平均(総損害額は1,900億ドル、保険損害は 580 億ドル)を大きく下回っており、過去 30 年間の平均(それぞれ 1,300 億ドル、330 億ドル)も下 回る。
  • 死 者数は7,700人と、2013年の21,000人より大幅に少なく、かつ過去10年間と過去30年間の 平均(それぞれ 97,000 人、56,000 人)をも大きく下回る。死者数の点で最も甚大な自然災害は、 665 人の死者を出したインドとパキスタンにおける 9 月の水害。
  • 合計で、損害が関連する自然災害は980件が登録され、これは過去10年間と30年間の平均(そ れぞれ 830 件と 640 件)よりも大幅増。このような状況においては、とりわけ損害が少ない年では、 小規模な災害がいつもより大きな注目を集めるため、より広範囲な実証記録の作成が重要な役割 を果たすものと思われる。
  • 年間で最も被害が大きかった自然災害はサイクロンHudhudで、総損害額は70億ドル。


損害が関連する自然災害の 10 件のうち 9 件以上(92%)が、気象によるものだった。特に目立つ点は、 北大西洋でのハリケーンの発生が例年になく少なかったことで、大型の(したがって名前が付けられる) ものは 8 件のみ。長期の平均(1950 年~2013 年)は約 11 件。反対に、東太平洋における熱帯低気圧 の発生数は例外的に多く、それらのほとんどは上陸しなかった。東太平洋で発生したハリケーンの 1 つ、 Odile は、バハカリフォルニア半島を北に向かって縦断し、メキシコと米国南部の州で、250 億ドルの損 害(うち保険損害は 120 億ドル)をもたらした。太平洋北西部では、比較的多くの台風が日本の沿岸部を 襲ったが、同国における建築およびインフラの高い基準のおかげで、損害は少額にとどまった。

「観測されたパターンは、エルニーニョの発生時期に予測されるものとほぼ合致している。太平洋におけ る ENSO(エルニーニョ南方振動)現象のこの特徴は、全世界でのさまざまな異常気象に影響を及ぼす」 と、ミュンヘン再保険のジオリスクリサーチの責任者であるペーター・ヘッペは説明する。北大西洋にお ける海水温は、平均以下だった。低い湿度や強いウィンドシアなどの大気条件も、熱帯低気圧の発生を 抑える原因となった。長期の干ばつ後、12 月にカリフォルニアで起こった激しい暴風や大雨といった事 象も、エルニーニョのパターンに合致する。



ヘッペは、軽度から中程度のエルニーニョの発生が、2015 年の半ばまで続くと、科学者の多くが予測し ていると付け加えている。「2014 年は平均を下回る発生数だったが、このことで米国での竜巻の発生頻 度が高まる可能性がある。エルニーニョの発生が、実際に、年の半ばまでに収束に向かえば、熱帯性低 気圧の本格的発生時期には ENSO からの緩衝効果がないことになる」



同年において最も損害額の大きかったサイクロン Hudhud は、被害を抑えるための当局による措置の 実効性を証明するものともなった。Hudhud は 10 月 10 日にベンガル湾上でその最大強度に達し、風速 は時速 190 km を超えてカテゴリー4(最大は 5)の大型暴風雨となった。10 月 12 日、サイクロンはイン ドのアーンドラ・プラデーシュ州の都市で、200 万人が住む重要な経済的中心地であるヴィシャーカパト ナムの港湾付近に上陸。場所によっては、24 時間の内に 1 平方メートルあたり 120 リットルの降雨を記 録した。インドの気象台からの警報により、当局はおよそ 50 万人の住民を避難させ、安全な収容施設 に移動させた。これにより、この強さの災害としては死者数が低いレベルにとどまった(84 人)。 総損害額はおよそ 70 億ドルで、保険損害は 5 億 3,000 万ドルだった。これは割合としては比較的少な いが、インドにおける保険密度は、喜ばしいほどに一貫した伸びを示している。



12 月 6 日にフィリピンのサマール島に上陸し、その後本島および首都マニラに向かった台風 22 号 (Hagupit)の場合も、同様の状況だった。上陸時、Hagupit はカテゴリー3 の台風で、風速は時折時速 175 km を超えた。したがってこの台風は、前年に 6,000 人の死者を出した台風 30 号(Haiyan)よりも 弱いものだったが、それでも破壊力の強さはかなりのものである。Hagupit が上陸する前、当局が 16 万 5,000 人の住民を直ちに避難させたことで、死者数をわずか 18 人に抑える結果となった。



12 月半ばには、過去数十年で最悪のモンスーン降雨により、東南アジア(タイ、マレーシア、インドネシ ア、フィリピン)で大洪水が発生した。特にマレーシアとタイの国境地域で大きな被害を被った。西マレー シアの東部の州と、タイ南部のほぼすべての河川と湖で、堤防が決壊した。20 万人を超える住民が洪 水からの避難を余儀なくされ、20 人程度の死者を出した。西マレーシアの多くの場所で交通が途絶え、 停電が発生した。最終的な損害額はまだ確定していないが、総額で 1 億ドルを超えるものと見込まれて いる。スリランカでの津波により 35,000 人が犠牲になってからちょうど 10 年後に、この島国の北東部で 発生した洪水と地すべりにより、数十万人がまたも被害を受けることになった。少なくとも 30 人が死亡し、 10 万人以上が自宅からの避難を強いられた。



8 月 24 日の未明、カリフォルニアのナパバレーの、ナパの町付近で地震が発生した。ナパは幅 70 km にわたる地域にあり、サンアンドレアス断層系の一部を構成するいくつかの既知の断層があり、地震危 険にかなりさらされている。ここでは、西部にある太平洋プレートが、東部にある北米プレートの下に、年 間およそ 6 cm の速度で沈み込んでいる。今回の地震の規模はマグニチュード 6.0 で、したがってこの 地域としては特別に強いものではなかった。それにもかかわらず、数多くの建造物が大きな被害を受け た。経済損失は 7 億ドルに上り、うち保険損害は 1 億 5,000 万ドルだった。この地域の重要なワイン生 産地にある多くの業者で、ワイン醸造設備が損傷し、貯蔵されていたワインが破壊された。「今回の地震 は、サンフランシスコ地域がより大きな震災にも自らが備えなければならないことを示している。ただし、 それを予測することはできない」と、ヘッペは話す。



注: すべての事象を記載したグラフと世界地図を、当社のウェブサイトからダウンロードできます。



当リリースに関するお問い合わせ: ミュンヘン再保険 幸田 ikoda@munichre.com



Munich Re stands for exceptional solution-based expertise, consistent risk management, financial stability and client proximity. This is how Munich Re creates value for clients, shareholders and staff. In the financial year 2013, the Group – which combines primary insurance and reinsurance under one roof – achieved a profit of €3.3bn on premium income of over €51bn. It operates in all lines of insurance, with almost 45,000 employees throughout the world. With premium income of around €28bn from reinsurance alone, it is one of the world’s leading reinsurers. Especially when clients require solutions for complex risks, Munich Re is a much sought-after risk carrier. Its primary insurance operations are concentrated mainly in the ERGO Insurance Group, one of the major insurance groups in Germany and Europe. ERGO is represented in over 30 countries worldwide and offers a comprehensive range of insurances, provision products and services. In 2013, ERGO posted premium income of €18bn. In international healthcare business, Munich Re pools its insurance and reinsurance operations, as well as related services, under the Munich Health brand. Munich Re’s global investments amounting to €209bn are managed by MEAG, which also makes its competence available to private and institutional investors outside the Group.



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This press release contains forward-looking statements that are based on current assumptions and forecasts of the management of Munich Re. Known and unknown risks, uncertainties and other factors could lead to material differences between the forward-looking statements given here and the actual development, in particular the results, financial situation and performance of our Company. The Company assumes no liability to update these forward-looking statements or to conform them to future events or developments.


Munich, 07 January 2015


Münchener Rückversicherungs-Gesellschaft
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