6月末迄の自然災害に関する特記事項は地震と多数の死者を出したアジアの熱波

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2015.07.14 | プレスリリース

6月末迄の自然災害に関する特記事項は地震と多数の死者を出したアジアの熱波

2015年上半期の自然災害報告の特記事項は先ずネパールの地震ならびにインドとパキスタンを襲った熱波だ。これら2つ自然災害による犠牲者は約12,000人に及んだ。本年上半期中の深刻な気象災害と地震による死亡者の総数は16,000人に上っている。

6月末までの自然災害によるこの死亡者数は、前年のそれ(2,800人)を大きく超えるが、しかし過去30年の平均(27,000人)を下回ることになる。総損害額また保険損害額はともに長期平均値以下だ。2015年上期に発生した損害額の総計は350億米ドル、一方過去30年の平均値は、インフレ調整後で概ね640億米ドルとなる。保険損害額の長期平均値は150億米ドルだが、これに比し、当年のそれは、現時点で120億米ドルで推移している。


ミュンヘン再保険社のグローバル再保険事業担当役員であるトルステン・イェヴォレックは、「本年上半期の自然災害を見ると、新興国あるいは発展途上国の自然災害に対する脆弱性に対処する必要性を改めて痛感する。この種の対応は先ずは人々の一層の安全確保のために必要だが、損害を可能な限り低く抑えるためにも必要である」、「われわれは、今のエルニーニョ現象といった自然気候サイクルが、いかに各地域レベルでの“気象異変”の発生にそれぞれ異なった影響をし得るのかを解明している。従って調査研究の成果と損害統計の傾向を統合させてゆくことが重要になってくる。我々としては、我々の先駆的なポジションを維持し、損害の縮小に向けての実務的方策の向上を期している」と語る。
本年上半期に発生した世界の主な災害は以下の通りだ。

  • 4月25日、マグニチュード7.8の地震がネパール全土にわたり、中でも首都カトマンズに壊滅的な災禍をもたらした。死者の総数は8,850人に上り、数多くの文化遺産諸施設が損壊したが、これは今年上半期中で、最多の死者を出した自然災害ということだけではなく、損害額の総額においても、最も深刻な災害であった。その総額は45億米ドルに上ったが、その中で保険の手配がなされていたのは僅か1億4,000万米ドルにすぎなかった。ネパールにとってこの損害の規模がいかほどのものになるのかは、同国の経済力を見れば、一目瞭然だ。この損害はネパールの年間GDPのほぼ1/4に達する額なのだ。さらに、それから2.5週間たって発生したマグニチュード7.3の余震で230人が命を失っている。
  • 当年上半期, 保険業界にとって最大の支払いとなった自然災害は、2月末に米国北東部、カナダを襲ったウインターストームだ。総損害額は24億米ドルで、その中保険損害額は18億米ドルに上った。更に米国北東部は、前年と同様、今冬も異常な寒気と降雪に見舞われ、ボストンでは冬季の月間を通じ、ほとんど3メートルを越す未曽有の降雪があり、市街区から搬出される雪は港湾の空き地に積み上げられたが、雪の山は盛り上がり、5月末に至っても未だ数メートルの高さを残したほどだ。米国における2014年から2015年の厳冬による直接損害の総額は43億米ドル、その中、保険損害額は32億米ドルに上った。この数字には航空便の遅延、停電また休業による間接損害は含まれていない。1月から冬季末までの短期間をとらえてみると、総損害額は38億米ドル、保険損害は29億米ドルに達した。
  • 4月から6月にかけて、米国南部とメキシコに及ぶ一帯が、数件の異常気象災害に見舞われた。この地域にしては珍しく激しいもので、いずれも10億米ドルを超す損害をもたらしており、保険損害も概ね7億5,000万米ドルに上った。竜巻あるいは雹を伴うこともあるこの種の異常気象災害は、米国では今年上半期に65億米ドルの損害を発生させており、その中、保険損害は48億米ドルであった。
  • 米国では冬季がきわめて寒くまた長かったため、竜巻の季節の開始は普段より若干遅れ、また暴風も少なかった。しかし、5月以降は、2番目に高いカテゴリーであるEF4までの竜巻また時速300キロまでの風を伴った激甚暴風の発生件数は著増している。7月1日現在、 登録された竜巻件数は830件で、2005年から2014年の間の平均数(1,008件)を下回ってはいる。
  • ヨーロッパで最高の損害額となった自然災害はウインターストーム“ニクラス”だ。この暴風は3月末に最高風速は毎時約200キロで中央ヨーロッパの広範な地域を通過し、多数の建物また乗用具が被災した。総損害額は約14億米ドル(13億ユーロ)で、その中約10億米ドル(9億ユーロ)は保険損害となった。今冬、ヨーロッパは13件のウインターストームに見舞われ、長期の季節平均4.6件と比較すると、総じて活発な暴風の季節であった。
  • 上半期末に至って、インドとパキスタンは稀にみる強烈な熱波に襲われ、そのために3,600人の死者を出した。モンスーン・シーズンの開始に先立って、この地域が熱波に見舞われることは珍しいことではないが、47℃にまで上昇した温度は尋常ではない。地域によってはほとんど無風状態で、それに高湿度が加わり、極度の高温効果を促すことになったのだ。
  • 4月に入り、南東オーストラリアでは、暴風前線がわずか1日で1㎡当たり300リットルもの雨をニュー・サウス・ウェールズに降らし、鉄砲水が、家という家を押し流した。クルーズ船“カーニバル・スピリット”は、シドニー港に入港するまで2日にわたり、時として10メートルを超える波浪の中で沖合待ちを余儀なくされた。この激甚気象災害による総損害額は11億5,000万米ドル、そのうち、保険損害は6億3,000万米ドルだ。サイクロン・カテゴリーで最強度の5が与えられた、“サイクロン・マルシア”は2月に同国北東部のクイーンズランドに上陸したが、ショウルウオーター・ベイの人口が疎らな地域を通過して行った。総損害額は8億米ドルに上るが、保険損害は4億米ドルであった。

今年の多くの気象関連災害の動向は、太平洋のENSO気候周期変動(エルニーニョ南方振動)の現在の形状と合致している。この形状は世界の多くの地域の様々な気象異変に影響を与えている。現在、中程度から強度のエルニーニョの状態にあるが、このような状態の下では、米国南部で竜巻を伴った激しい強雷雨が普段以上に発生する。加えて、この状態により、太平洋海域で強い熱帯低気圧の発生頻度が増える。しかし一方で、北大西洋のハリケーンの発達は減少傾向をたどる。
現在、既に強いエルニーニョ現象は秋口に向けてなお一層強力になり、そして来年初めには衰えるもの予想されている。エルニーニョが強ければ、翌年ENSOの振動針はその分、ラニーニャ現象に振れる可能性が大きい。そして、対極にある気象事変の影響が巡って来る。
ミュンヘン再保険社ジオ・リスク・リサーチの責任者、ペーター・ヘッペ氏は「従い、米国南部では多数の激甚気象災害が発生し、北大西洋のハリケーンの活動は当面影を潜めるといった2015年の傾向を予測することができた。同様にインドとパキスタンの熱波はエルニーニョの状況がある部分影響して、厳しいものになったと思われる」と解説をしている。


同時に、同氏は2015年のハリケーン・シーズンに対する警戒を解くことについては慎重を期すよう忠告している。例えば、1992年のハリケーン・アンドリューは、それまではきわめて平穏とされてきた季節に襲来したが、記録の残るものの中で、最も強烈な熱帯低気圧の一つとなった。総損害額は265億米ドルで、その中保険損害は170億米ドルに上った。アンドリューの風災損害額は、インフレを調整しても、未だ、史上4位の地位にある。ヘッペ氏は「エルニーニョ現象はハリケーン活動には影響を与えてはいるが、しかし暴風の上陸の有無、また上陸地点には関わりはない。したがって、激甚暴風が発生し、大都市圏を直撃すれば、同様の規模の損害が発生する可能性はある」と語る。

ミュンヘン再保険NatCatService - 2015年7月

2015年上半期の自然災害

  2015年
上半期
6ケ月

2014年
上半期
6ケ月

損害は実額
上半期6ケ月の
10年平均
期間
2005-2014
                
(損害額は地域消費者物価指
数によりインフレ調整済)
上半期6ケ月の
30年平均
期間
1985-2014

(損害額は地域消費者物価指
数によりインフレ調整済)

災害件数 510 520 440 330
総損害額 (100万米ドル) 35,000 60,000 95,000 64,000
保険損害額(100万米ドル) 12,000 23,000 27,000 15,000
死者数 16,200 2,800 46,000 27,000

2015年上半期における5大自然災害

総損害額順

日付 国/地域 災害 死者数 総損害額
100万米ドル

保険損害額
100万米ドル
2015年4月25日 ネパール、中国、インド 地震 8,850 4,500 140
2015年2月16日~25日 米国、カナダ ウインターストーム 39 2,400 1,800*
2015年3月23日~26日 チリ 鉄砲水 31 1,500 500
2015年3月30日~4月1日 ヨーロッパ ウインターストーム
“ニクラス”
11 1,400 1,000
2015年4月7日~10日 米国 激甚暴風 3 1,400 990*
 *出典:Property Claim Services(PCS)

保険損害額順

日付 国/地域 災害 死者数 総損害額
100万米ドル
保険総損害額
100万米ドル
2015年2月16日~25日 米国、カナダ ウインターストーム 39 2,400 1,800*
2015年3月30日~4月1日 ヨーロッパ ウインターストーム
“ニクラス”
11 1,400 1,000
2015年4月7日~10日 米国 激甚暴風 3 1,400 990*
2015年3月30日~4月1日 米国 激甚暴風 - 1,100 780*
2015年4月7日~10日 米国 激甚暴風 32 1,300 750
 *出典:Property Claim Services(PCS)

死者数順

日付 国/地域 災害 死者数
2015年4月25日 ネパール、中国、インド 地震 8,850
2015年5月6月 インド、パキスタン 熱波 3,600
2015年6月1日 中国 激甚暴風、竜巻 442
2015年2月~3月 アフガニスタン 雪崩、冬季損害 290
2015年1月~3月 アフリカ南部 洪水 290

© 2015 Münchener Rückversicherungs-Gesellschaft, Geo Risks Research, NatCatSERVICE

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Munich, 14 July 2015

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