2012 年の自然災害

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2013.01.03 | プレスリリース

2012 年の自然災害 − アジアの新興国は大幅な保険不足に直面

昨年、自然災害による全世界の経済損失は1600 億ドル、保険損害は約650 億ドルに上った。うち、米国で発生したものが経済損失の約67%(平均32%)、保険損害の90%(平均57%)を占める。2012 年における最大の保険損害は、ハリケーン「サンディ」によるもの(推定250 億ドル)。また、死亡者数ではフィリピンにおける台風「ボファ」が、2012 年で最も大きな被害を出した。

「米国における天候関連の自然災害による損害の大きさは、損害防止の取り組みを更に拡大する必要があることを示している。ニューヨークなどの大都市圏で防潮を強化することは可能なはずである。そうした取り組みは経済的にも意味があり、保険会社もエクスポージャーが減れば価格に反映させることができる」(ミュンヘン再保険取締役トルステン・イェヴォレック)。

2012 年における経済損失は、日本とニュージーランドの震災およびタイの壊滅的な洪水により記録的な数字が計上された前年を大きく下回った。2011 年は、経済損失が4000 億ドル、保険損害が1190 億ドルと、記録的な数字に上った。長期的な比較では、2012 年の損害は、保険損害では過去10 年平均の500 億ドルを上回るが、経済損失では過去10 年平均の1650 億ドルをやや下回る。

昨年の自然災害による死亡者数は約 9500 人で、過去10 年平均の10 万6000 人を下回った。死亡者数が比較的少なかったのは、2012 年においては、人命の面で自然災害がはるかに壊滅的な影響を及ぼす傾向にある、新興諸国および開発途上国において発生した自然災害が少なかったことによるものである。

2012 年の損害統計では、ハリケーン「サンディ」だけで、経済損失は約500 億ドルに上り、保険損害は約250 億ドルと推定されている。損害を評価することが非常に困難なため、この推定にはまだかなりの不確実性が残る。この例外的なハリケーンがなければ、2012 年の損害は非常に少なかったはずである。

米国において 2012 年に2 番目に大きな損害を出した事象は、国の主要農作物であるトウモロコシと大豆の大半が栽培されている、中西部のコーンベルト地帯とその周辺の州で夏に発生した干ばつである。11 月までは、2012 年は米国において、1895 年に記録が開始されて以来最も温暖な年であった。2012年の干ばつにより、米国の耕作可能面積の半分近くが影響を受けた。2012 年の米国における農作物損害は総額 200 億ドルに上り、うち約150~170 億ドルが官民の複合危険作物保険プログラムで補償されており、米国の農作物保険史上最大の損害となった。平均的な年の保険損害は約90 億ドル。

「この2 件の災害は、今後、対処することが増えると予想される事象をはっきりと示している。もちろん、いずれの事象も、理論的には気候変動がなくても個別に発生した可能性があり、個々の事象を気候変動のせいにすることはできない。多くの研究が、将来的に北米で夏の干ばつ期間が長期化すること、また長期的には、米国東海岸沿い北方向に深刻なサイクロンが広がる確率が高まることを想定している。気候変動による海面上昇によっても高潮の危険は高まるが、最近ドーハで開催されたものを含め、国際的な気候変動交渉に進展の見込みがないように思われることから、適切な防御措置を利用してこうした危険に備えることが絶対的に必要である」(当社ジオリスク調査部門ヘッドペーター・ヘッペ)

日本とニュージーランドの大震災が世界の損害統計の大部分を占めた年の翌年となる 2012 年は、アジア太平洋地域における大規模な自然災害の件数は大幅に減少した。12 月にフィリピンを襲った台風「ボファ」では1000 人が命を落とし、依然として多くの人が行方不明のままである。これは、死亡者数では同年最大の被害を出した自然災害となったが、保険損害については、保険密度の低さから非常に低いものとなった。アジア太平洋におけるその他の地域では、中国とオーストラリアで数回の洪水が発生した。北京で7 月に発生した洪水による保険損害は1 億5000 万ドルに上り、1 月末から3 月中旬にかけてオーストラリア東南部および東部で発生した洪水により、約2 億8000 万ドルの保険損害が生じた。

「過去数年間、経済危機により、深刻な自然災害に見舞われた後、政府が財政状況に対処することが更に困難になっている。各国政府は今、災害後に一国の経済を復旧する上で不可欠であることから、基金や保険といった事前災害リスク管理ソリューションに注目するようになっている」(当社東南アジア担当CEO 兼プリンシパルオフィサーベルント・コーン)

過去 30 年間で自然災害が4 倍に増えているアジアを中心として、天候関連の自然災害の重大性と頻度が増す中、政府資産(学校、病院等)、住宅、作物における大幅な保険不足が、新興諸国の政府予算に加えて、NGO やその援助国にとってますます深刻な問題となっている。

「地震やハリケーンの危険が多いメキシコなど、借款や援助国への依存から、自立的なリスク管理への移行を遂げた、前向きで非常に望ましい国の例もすでにいくつか見られるようになっている」(コーン)

ダイナミックな環境変化には、すべてのステークホルダー(政府機関、リスク管理業界、消費者)が、持続的なソリューションを提供するための標準化されたプロセスにより、包括的なリスク管理スキームを実施するよう協調して取り組むことが必要である。政治家や政府は、規制的枠組みに支えられた健全な国内保険セクターを構築することに加え、限りある国の災害対策基金を強化・活用し、国際的な(再)保険市場の自然災害対応能力によって補完し、今後の課題に対応する必要がある。

ミュンヘン再保険では、保険会社、NGO、各国政府等の機関と連携し、全世界において自然災害保険の取り組みと官民パートナーシップをサポートしている。また、アジア諸国の政府とも、必要性の高い自然災害対策に関する協議を進めている。


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電話:03-5251-6871


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