2011年の世界の自然災害

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2012.01.04 | プレスリリース

2011年の世界の自然災害―地震が観測史上最大損失の主な要因

東日本大震災を初めとする巨大地震や多くの気象災害の発生により、2011年の世界の自然災害による経済損失・保険損害はともに観測史上最大となった。経済損失は3800億ドルで過去最大だった2005年の2200億ドルを約60%上回った。東日本大震災(経済損失:2100億ドル)とニュージーランド地震(160億ドル)が経済損失全体の約60%を占める。また保険損害は1050億ドルでこちらも2005年(1010億ドル)を上回る数値。

「2011年のような大規模自然災害の多発は非常にまれ。発生懸念のある地域に対しては、1000年に1度もしくはそれ以上の規模の災害を想定して対処しなければならなかったが、当社はこうした未曽有の保険損害への備えがある。未曽有の損害を補償し、復旧・復興を支援、そして経験を通して自然災害に対処するためのノウハウを蓄積していくことが保険業界の務め」(ミュンヘン再保険取締役再保険部門担当トルステン・イェヴォレック)

2011年は非常にまれな年

発生数は820件で、過去10年平均と同じ水準。発生件数の9割は気象災害だったが、損失額で見ると、経済損失で3分の2、保険損害では約半分が地震を主とする地質学的災害(通常、自然災害による損失の大半は気象災害)。保険損害に占める地質学的災害の割合は、過去30年平均で10%を下回る程度であることから、2011年が非常にまれな年であったと言える。また損失における地域分布も通常と異なり、経済損失全体の約70%はアジアで発生している。

2011年は2万7000人が自然災害で死亡した。だがこのほかにも、「アフリカの角」と呼ばれるソマリア周辺地域は数十年で最悪の干ばつに見舞われ、これによる飢餓で多くの人々が亡くなった。アフリカでの飢餓は、内戦や政治不安が苦しむ人々に対する効果的支援を大きく阻んだことから、今年最大の人的災害となった。

地球を揺るがした東日本大震災

2011年最大の損失となったのは東日本大震災。マグニチュード9.0の海震が仙台港沖130キロ、東京から北370キロ地点で発生。日本で過去最大規模の地震となった。厳格な建築基準により地震そのものによる被害はそれほど大きくなかったものの、地震は巨大津波を引き起こした。

津波は東北地方の沿岸部を襲った。一部の湾岸では波の高さが最高40メートルに達した。道路や線路、町全体が押し流され、数十万棟もの家屋が被害を受けた。高い防波堤や早期警告システムも1万6000千人もの命を救えなかった。とはいえ、こうした防災手段がなければ、死者数はもっと増えていただろう。東北地方はもともと津波の危険性が高い地域として知られているが、869年にも今回と同規模の津波に襲われたことがわかっている(貞観津波)。

津波は東京電力福島第1原子力発電所の1~3号機を襲った。発電所から半径20キロ圏内のうち「帰宅困難区域(被爆線量が50ミリシーベルトを超える)」では、長期にわたって居住が制限される。経済損失は、発電所事故による損害を除いて(民間の保険では補償されないため)、2100億ドルに達し、観測史上最大の自然災害となった。保険損害(経済損失のうち保険金で支払われる分)は約400億ドル(経済損失に占める保険損害割合は約19%)(当社7月12日リリース発表時は300億ドル見込み)。

地震を引き起こした断層部分は450キロとかなり短かかったが、ズレにより海底は30~40メートル移動した。専門家はこうした規模の地震は500~1500年に一度、断層の上にある地域で発生しているとみている。また余震が多発し、このうち最も規模が大きかったのは、本震40分後に発生したマグニュチュード7.9。

地球を揺るがしたもう一つの地震―ニュージーランド地震

東日本大震災前にもう一つの巨大地震が発生していた―。2月22日にニュージーランド・クライストチャーチで発生したマグニチュード6.3の地震。注目すべきなのはマグニチュード7.1の地震がこれより約6ヶ月前にも同地を襲っていたこと。さらに、地震波は死火山延長部の活断層による影響で増幅し、建物の損壊度合いは同規模の地震に対する想定を超えた。震源は浅く、震源地も市中心部からわずか数キロしか離れていなかった。

損失は甚大だった。古い建物は倒壊し、厳格な基準で建てられた新しい建物ですら損害を受けた。市内の一部住宅区域では今後も再建のめどが立っていない。経済損失は160億ドル、このうち保険金で支払われる額は130億ドル(経済損失に占める保険損害割合は約81%)に上る。

クリスマス前の12月23日、同地は再び地震に襲われた。3つの地震で数十名が負傷したが、規模などにおいては2月の地震と比べてそれほど大きくなかったため、余震による保険損害はかなり低くなる見込み。

「昨今の地震発生状況からは信じられないかもしれないが、(昨今の地震発生によって)地震の発生確率が高まったわけではない。しかし大規模地震によって明らかになったのは、建物や都市、原子力発電所の建設場所を決定する際にこうしたリスクを十分に勘案しなければならないということ。さらに、地震が発生しやすい地域では建築基準をこれまで以上に厳格にすることが求められている。建物はそこに住まう人の命を守るのに十分であるだけでなく、災害発生後も継続使用できる基準を有しているものでなければならない」(当社ジオリスク調査部門ヘッドペーター・ヘッペ)

気象災害―タイ洪水

2011年に発生した多くの気象災害のなかでタイ洪水は損失規模で突出していた。春に降り始めた豪雨が秋にピークとなったことで引き起こされた。首都バンコクのあるタイ中央部は海抜が低いため、510月の雨期を通して洪水が発生しやすい。タイ当局によれば、50年で最悪の洪水となったもよう。ラニーニャによる影響が最も大きいと考えられており、ラニーニャ時に雨期が重なると豪雨が激しくなる場合が多い。

 

洪水は約800人の命を奪った。何十万棟もの家屋や広範囲に及ぶ農地だけでなく、日系企業が数多く入る7カ所の工業団地が浸水した。多くの基幹部品メーカーが被害を受け、生産の遅れやサプライチェーン寸断を引き起こした。ハードドライブ(HDD)向け部品の世界供給の約25%が洪水による直接の被害を受けた。経済損失は数百億ドルになる見込みで、タイ観測史上最大の自然災害となった。

北米では暴風雨が多く発生したがハリケーンは少なかった

特に米国・中西部や南部の州で強い竜巻が相次ぎ発生。これにより経済損失は合計460億ドルとなり、このうち保険損害は250億ドル。保険損害は2010年の2倍に増加。勢力の強い竜巻はラニーニャによる影響が大きいと見られている。ラニーニャ現象の一つとして、北西からの冷たい空気をともなった前線が北米大陸の中央部を頻繁に移動し、南部で暖かく湿った空気と出会ったことによる。このような気象条件下では、通常の年よりも深刻な災害がより発生しやすくなる。

 

北大西洋のハリケーンによる損失は少なかったが、2010年同様、これは偶然にすぎない。2011年に発生したハリケーンは18個と、長期平均の11個や、90年代半ばから続く温暖相(ハリケーン活動が活発化)の平均15個を超えた。ハリケーンの強さはカテゴリー6で長期平均と同じ水準だったが、特に米国沿岸部に上陸したのは3個と少なく、その一つがハリケーン・アイリーン。アイリーンはカリブ海諸国と米国に合計で150億ドルの経済損失と70億ドルの保険損害を負わせた。

 

今年のもう一つ顕著な特徴として、米国立海洋大気圏局(NOAA)が地中海で発生した低気圧を観測史上初めて熱帯暴風雨に分類。同低気圧「ロルフ」は113日に、20度という暖かい海洋上で冷たい空 気をともなう前線によって形成された。最大風速は120キロ/時で、「01M」と名づけられた熱帯暴風雨は勢力が衰える前に地中海のフランス沿岸部に上陸し、コートダジュールに豪雨をもたらした。

 

 

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