2012年ILS市場概況と2013年見通し

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2013.01.29 | トピックス

2012年ILS市場概況と2013年見通し (抄訳付)

2012 年は相対価値の優位性を背景にキャットボンド投資家の需要増を受け記録的マーケットに

2012 年末時点でのキャットボンド発行残高は156 億ドルと過去最高。同年の発行額60 億ドルは歴代2 位。投資家の巨額の手元資金がスポンサーを誘引、当初計画を上回る発行額が安価かつ長期化して実現されることも。全体の発行見込みを57%も上回る水準。
米国で3社の新たなスポンサーも参入。米国以外のスポンサーは日本の保険会社や欧州の暴風をマルチペリルボンドを使ってヘッジする再保険会社など。

2012 年第4四半期には様々なペリルのプログラム19 億ドルが発行。ミュンヘン再保険(MR)関連を挙げると:

  • Lakeside Re III; 2.7 億ドル、Zurich による北米地震の累積ベースの実損てん補カバー。MR はストラクチャリングとプレースメントを担当、発行サイズ拡大と低コストを実現。MR によるUS T-Bill ベースの安全資産担保の仕組みも導入。
  • MultiCat Mexico; 3.15 億ドル、メキシコ政府によるハリケーン・地震パラメトリックカバー。MR はストラクチャリングを担当、オーバーサブスクリプションにより低コスト実現。
  • Queen Street VII; MR による米国ハリケーンと欧州暴風ペリルもの。0.75 億ドルと小規模だがタイトな需給環境を利しマルチペリルとしては低コストを実現。

新規発行の受け皿はキャットボンド専門のファンド。2ページ目のグラフの通り、BB 格の米国社債の利回りが同格のキャットボンドに比し低いことが好調の要因。RMS(モデリング会社)がモデルを変更し混乱のあった2011 年を除きこの傾向が継続。その結果2012 年の満期債を29 億ドル上回る新規発行に。

2012 年10 月の暴風雨“サンディ”の影響は限定的

3 ページ目のグラフのとおり、“サンディ”の発生は関連する米国暴風、米国マルチペリルもの債券の相場に一時的に影響を与えスプレッドが急騰したが、損害が想定より小さいことが判明するにつれマーケットは“サンディ”以前のレベルに。一方新規発行マーケットは全く悪影響を受けず。

2013 年のマーケットは引き続き米国もの中心に、価格動向への影響も

2012 年も米国ペリルものが中心、全体に占めるシェアも増加。このことが価格動向に与える影響:投資家は米国ペリルものの新規発行に高めのリターンを要求、欧州の暴風や日本の地震リスクものなどのノンピークペリルに対しては、ポートフォリオ多様化に資することから、価格は低下傾向に。
従って、2013 年は非米国ペリルにつき有利な発行状況に。米国ものの発行はそのタイミングが重要。2013 年第2 四半期初に25 億ドルの満期が到来、再投資意欲が高まり、スポンサーにとって有利な環境に。MR の見込みでは2013 年の新規発行は2012 年並み、満期到来債を上回り、期末発行残高は前年比増加することに。

投資家サイドの圧力やノウハウ向上の結果、標準的でない仕組みのキャットボンド発行が進む

ILS 投資家のベースはヘッジファンドや投機的な筋から専門化したキャットファンドへとシフトしていることから、従来に無い仕組みのボンドが受容されつつある。現状、ほとんどのファンドマネージャーは再保険的なプログラムの仕組みについて知識・経験があり、キャットボンドスポンサーの持つ保険的リスクのポートフォリオについて吟味することができる。
従って、従来のような実損てん補を伴わない単純・明快なキャットボンドの仕組みから、実損てん補型支払の仕組みへの変遷が見られる。7ページ目のグラフに過去4 年の傾向が示されているが、実損てん補型ボンドは従来型に比しそれほど高コストとはなっていない。この間、イベント累積支払、セカンドイベントカバー(期間内に発生する2 度目のイベントのみにつき支払発生)、ドロップダウンといった仕組みも多く採用されている。ファンドの大きな手元資金、再保険のバックグラウンドを背景として、2013 年には、実損てん補に基づくより複雑な仕組みを持つボンドが組成されよう。

以上

連絡先

このプレスリリースにつきましてご質問等がございましたら、ミュンヘン再保険会社 Munich Re Japan 広報担当までご連絡ください。
電話:03-5251-6871


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